入浴の順番
まず、化粧を落とし、身体を清潔に洗います。入浴すると毛穴が開きますので、化粧品によってお肌を傷めないためにも、化粧は必ず落とすようにしてください。
次に、温泉水の「かけ湯」で身体を慣らします。まず足から徐々に体の上部へとかけ湯をします。特に冬季の入浴では、脳への血流不足を引き起こさないためにも、かけ湯は大切です。
続いて、ゆっくりと浴槽に入ります。身体全体が温まってから、ゆっくりと肩から首の位置まで浸かります。これを全身浴と言います。徐々に入浴することで、突発性の脳のうっ血を防ぎます。
台湾では、首の下の位置まで温泉に浸かるのが習慣となっています。ただし、熱いお湯は血液循環が促されるため、お湯に浸かるのは心臓の位置を超えない程度が一番良いとされています。
入浴時間
入浴時間は温泉の温度によって決めます。背中に汗をかいたり、鼓動が早くなったりしたら、浴槽から上がって5-6分休憩した後、再度入浴をします。
1回の入浴時間は15分が適当です。何度も入浴する場合は、1日に3回を超えないようにします。汗が止まらなかったり、脈拍が1分間に120回を超えたりするのは、温泉に浸かり過ぎということになります。
入浴するとまれに皮膚が赤くなって痒くなる場合があります。入浴温度が高過ぎたり、お肌が敏感だったりすると起こりやすい症状です。入浴後に乳液を塗ることでこの状況は改善します。
入浴のマナー
∎露天SPAエリアでは、規定にしたがって水泳技と水泳帽を着用してください。普段着のシャツやズボン、サーフパンツでの入浴は固くお断りします。∎温泉の浴槽内で身体を洗う行為は固くお断りします。タオルを頭の上に乗せるのは結構ですが、浴槽内に浸けることはおやめください。∎入浴時の食料の持ち込み及びご飲食はお断りします。また、大声を発するのもおやめください。∎他のお客様をじっと見つめるなど、相手の方が不愉快に感じるような、マナーに反する行為はおやめください。
入浴と健康
心臟病、高血圧、皮膚病等、慢性疾患もしくは皮膚病のある方は入浴をお控えください。入浴時に動悸やめまいが生じた際には、ゆっくりと身体を起こすようにし、浴槽から出て安静にしてみてください。それでも状況が改善しない場合は、入浴を中止してください。
ご高齢の方や心臓が弱い方は、座ってのご入浴をお控えいただき、浴槽の縁を枕にして手足を伸ばし、身体を浮かせながらご入浴する方法をお勧めします。こうすることで、慌てたり、胸が苦しくなったりするのを避けることができます。
ご高齢の方のお一人でのご入浴はお控えいただき、お連れ様とご一緒に温泉を楽しまれることをお勧めします。
温泉養生の道
温泉に入浴する際には、高温の温泉の出水口の近くは避けるようにしましょう。適温での温泉浴であれば、より長く浸かることができ、効果も増します。
お肌が耐えられる温泉水の適温は38- 42℃です。火傷を避けるためにも、熱くても45℃までに留めましょう。心身を安静にして、温泉浴の科学的、物理的効能が身体を刺激し、健康に有益な作用を施し、温泉養生の道に導いてくれていることに神経を集中させましょう。
入浴が終わったら、直接タオルで身体を拭き、ドライヤーで髪を乾かしましょう。お肌が過敏な方でない限り、真水で温泉成分を全て洗い流さないようにすることで、保温効果が持続します。
入浴の前後は、身体のバランスを保つため水分を十分に補いましょう。また入浴後の暴飲暴食も避けましょう。入浴後は、温泉の保健効果を継続、増進させるためにも、コーヒーや濃いお茶の摂取、喫煙や飲酒など、刺激を強める行為は慎みましょう。